外壁のシーリング工事の目的とは?こんな劣化症状が出たら要注意
外壁のシーリング工事とは、建物の外壁とのつなぎ目をシーリング材で埋める工事のことを指します。建物の外観を美しく保ちながら、防水性や耐久性を向上させることができるため、建物のメンテナンスには欠かせない重要な工事です。この記事では、シーリング工事の目的や必要性、注目しておきたい劣化症状などを詳しく解説していきます。
シーリング工事の目的と必要性
外壁のシーリング工事は建物の維持や管理において、とても重要な役割を果たします。
防水性の確保
外壁には雨水や湿気が浸入しないようにする防水性が求められます。建物の目地やひび割れにシーリング材を充填することで、建物内に水の浸入を防ぐ役割を果たします。劣化したシーリング材は防水性能が低下しているので、放っておくと水漏れやカビの原因になってしまう恐れも。
構造物の安全性確保
劣化したシーリング材は、建物の構造物に水が浸入しやすくなり、腐食や劣化を引き起こす可能性があります。これが進行すると、建物の安全性が低下し、最悪の場合、構造物の損傷や倒壊につながる原因にもなります。建物の安全性を確保するためにも、適切なタイミングでシーリング工事を行うことが必要になります。
外壁の保護と美観の維持
シーリング材は、外壁の目地やひび割れを埋めることで、建物の外観を整える役割も果たします。また、建物のゆれから外壁にかかるストレスがシーリング材によって分散され、外壁の劣化を防ぐこともできます。
コーキング材との違い
シーリング同様、「コーキング」という言葉を耳にすると思いますが、シーリング材とコーキング材に大きな違いはありません。外壁のシーリング工事もコーキング工事も同じ意味と思って頂いて大丈夫です。
こんな劣化症状に要注意
シーリングは経年劣化の他、紫外線や雨などの環境要因で徐々に劣化していきます。建物のシーリング材にこんな症状が出たら要注意です。
シーリング材の硬化・ひび割れ
シーリング材が劣化すると、硬化し、ひび割れが発生することがあります。シーリング材が硬くなりすぎると、揺れや地震が起こった際に外壁の動きに対応できず、ひび割れや剥離が起こりやすくなります。シーリングにひび割れが見られる場合は、早めの工事を検討した方が良いでしょう。
シーリング材の剥離
劣化したシーリング材は、外壁との密着性が低下し、剥離が発生することがあります。シーリング材が剥離している箇所があれば、その部分のシーリング工事が必要となります。
水漏れやカビの発生
シーリング材の劣化により、水の浸入が起こりやすくなります。建物内部で水漏れやカビが発生している場合は、シーリング劣化の可能性が高いです。
外壁のひび割れ
外壁にひび割れが見られる場合、シーリング材が劣化していることが原因の一つとなっている可能性があります。ひび割れがある場合は、シーリング工事とともに外壁の補修が必要となることがあります。
シーリング材の種類と施工手順
ここからは、知っておくと便利なシーリング工事の知識をご紹介いたします!
シーリング材の種類
外壁塗装のシーリング材には様々な種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。施工する建物の状況や、求められる性能によって最適なシーリング材を選定し、適切な施工を行うことが大切です。
アクリル系シーリング材
アクリル系シーリング材は、アクリル樹脂を主成分としたシーリング材です。水溶性で湿度の高い場所でも作業がしやすく、乾燥が早いことが特徴ですが、硬化時に肉瘦せしやすい性質で耐久性は約10年と低めです。
シリコン系シーリング材
シリコン系シーリング材は、シリコーン樹脂を主成分としており、高い耐候性、耐熱性、耐寒性を持っています。また、柔軟性も高く、外壁の収縮や膨張によるひび割れに対しても優れた性能を発揮します。そのため、長期間にわたって外壁の保護が求められる建物や、激しい温度変化がある環境に適しています。上からの塗装には向いていないので、仕上げ向きのシーリング材です。価格はアクリル系よりも高くなります。
ウレタン系シーリング材
ウレタン系シーリング材は、ポリウレタン樹脂を主成分とし、高い耐候性、耐熱性、耐寒性を持ちます。また、柔軟性が高く、大きな外壁の変形にも対応できるため、地震による影響が懸念される建物や、特殊な建築物に適しています。紫外線に弱い性質をもつので、上から保護のための塗装は必須です。価格はシリコン系と同程度かそれ以上となり、施工もやや難しいとされています。
変性シリコン系シーリング材
変性シリコン系シーリング材は、シリコン系とウレタン系の特性を兼ね備えたシーリング材です。優れた耐候性、耐熱性、耐寒性に加え、柔軟性も高いため、幅広い用途で使用できます。
低臭性で溶剤をほとんど含まないため、環境にやさしいとされており、住宅や商業施設、公共施設など、様々な建物に適用されています。他のシーリング材に比べて費用は高めです。
シーリング工事の種類
外壁塗装におけるシーリング工事の内容は下記の2種類です。
シーリング打ち替え工事
古いシーリング材を完全除去し、新しいシーリング材を充填する工事。
シーリング打ち増し工事
古いシーリング材の上から、新しいシーリング材を足して補修する工事。打ち増し工事は、既存のシーリング材があまり劣化していない場合に行われます。
シーリング工事の工程
一般的に行われる、シーリング打ち換え工事は以下の手順で行われます。
シーリング材の選定
施工箇所や建物の状況に応じて、耐久性、防水性などの性能を考慮し適切なシーリング材を選定します。また、建物の外観や設計に合ったカラーや質感のシーリング材を選ぶことも重要です。
下地調整
既存のシーリング材を取り除き、下地を整えます。下地調整は、シーリング材の密着性を高めるために重要な工程になります。
マスキングテープでの養生
目地に沿ってマスキングテープで両サイドを養生します。養生することにより、周囲の壁を汚さず施工することができます。
シーリング材の塗布
施工時には、隅や窓周りなどの細かい部分にも注意を払い、シーリング材を均一に施工することが重要です。
仕上げ・乾燥
シーリング材が均一に塗布されているか確認し、必要に応じて調整します。ヘラでならした後、完全に乾燥する前に養生をはがし、シーリング材が十分に乾燥するまで待ちます。
シーリング工事の注意点
シーリング工事を行う際には、以下の点に注意が必要です。
施工条件
シーリング工事は、外気温や湿度が適切な状況で行う必要があります。悪天候や適切でない条件下での施工は、シーリング材の性能を低下させる恐れがあります。また、乾燥時間が短縮されることで、シーリング材が十分に硬化しない可能性もあります。
施工品質
シーリング工事は、施工品質が非常に重要です。適切な施工が行われないと、シーリング材の性能が十分に発揮されず、外壁の保護が不十分となることがあります。そのため、正確で丁寧な施工が求められます。
業者の選定
シーリング工事は専門的な技術が求められるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。適切な施工とアフターサービスを提供できる業者を選ぶことが、長期的に建物を保護する上で重要になってきます。
施工後のメンテナンスも重要
シーリング工事が完了した後も定期的なメンテナンスが必要になってきます。シーリング材の劣化や外壁のひび割れなどを早期に発見するため、定期的に外壁の点検を行いましょう。シーリング材が劣化している場合や、外壁に新たなひび割れが発生した場合は、適切な補修や再施工が必要です。
シーリング材の上に汚れや藻が発生すると、シーリング材の劣化が早まることがあります。定期的な清掃を行い、シーリング材を綺麗に保ちましょう。
まとめ
適切なシーリング工事を行うことで、建物をより美しく安全に保つことができます。まずは信頼できる業者に依頼しましょう。そして定期的な点検やメンテナンスを行うことが、建物を長持ちさせる秘訣です。
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