屋根塗装は必要?【屋根の種類別】塗り替え時期や耐用年数を解説
建物で一番ダメージを受けやすい箇所は屋根と言われています。「もしも屋根が壊れてしまったら」と考えたことはありませんか?
暑い日も寒い日も燦々と降り注ぐ紫外線。雨や雪、落雷や突風の日も私たちは屋根があるからこそ安心して暮らせています。
メンテナンス(塗装)を行わず、屋根が深刻なダメージを負ってしまうと修復が困難になり、最終的には総取り換え(葺き替え)工事を行うなど、大掛かりなリフォームをせざるを得ません。
ですが屋根には様々な種類があり、違う素材で作られているため、素人には適切なメンテナンス時期というのは判断しにくいものです。元来持つ素材の性質上、屋根塗装が必要ない屋根材も存在します。
そこでこの記事では、戸建て住宅によく使われている屋根材の種類や特徴、適切なメンテナンス時期を解説したいと思います。
目次
屋根の種類別塗り替え時期の目安
「屋根の劣化が気になってきたけど、メンテナンス時期がわからない」という方へ、屋根の種類別の塗り替え時期の目安を一覧表でまとめました。
耐用年数=屋根の寿命です。屋根の寿命が伸びるかどうかは塗装などによるメンテナンスに掛かってきます。
屋根の種類 | 塗り替え時期 | 耐用年数 |
---|---|---|
スレート屋根 | 10年 | 15~40年 |
瓦屋根 | なし | 50年 |
トタン屋根 | 5~10年 | 6~20年 |
ガルバリウム鋼板屋根 | 10~15年 | 25~35年 |
アスファルトシングル | 10~15年 | 20〜30年 |
陸屋根 | 3~5年(トップコート) | 10~20年(防水層) |
おおよその塗り替え時期や耐用年数を書き出しましたが、使用しているメーカーや製品の違いや環境要因などで劣化状況は異なってきますので、あくまで目安として参考にしてみてください。
【屋根の種類別】特徴やメンテナンス時期
ここからは、さらに詳しく屋根の種類別の特徴やメンテナンス時期を掘り下げてみましょう。
スレート屋根
屋根材で最も使用されているのがスレート屋根です。中でも一般住宅によく採用されているのは、セメントに繊維材料を混ぜて作る「化粧スレート」になり、別名「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれています。
スレート屋根の特徴
スレート屋根は5㎜程度の薄い板状に加工された建築材であり、1㎡あたりの重さが約20㎏と軽量のため、建物への負担が少なく耐震性に優れています。
屋根と屋根のつなぎ目にあたる頂点には、棟板金(むねばんきん)があり、接続部を雨水の侵入などから保護しています。
耐久年数の違いに注意
塗装によるメンテナンス時期は同じですが、同じスレート屋根でもアスベストの有無や製造された時期などにより、耐久年数が変わるので注意が必要です。
素材 | アスベスト含有 | 耐久年数 | 製造時期目安 |
---|---|---|---|
アスベスト含有 | 〇 | 30年~40年 | 1990年代中頃以前 |
ノンアスベスト | ✕ | 15年~25年 | 1990年代中頃~2000年代中頃 |
ノンアスベスト改良品 | ✕ | 30年 | 2000年代後半 |
2004年以前に作られたスレート屋根にはアスベストが含まれているため、耐久性が非常に高いです。
アスベストの健康被害が発覚し、ノンアスベストが主流になった頃のスレート屋根は耐久性が低く、寿命も短いと言われています。
改良を重ねて作られたノンアスベストのスレート屋根の耐久性は高めです。
スレート屋根のメンテナンス
主成分がセメントなのでスレート材自体には防水性能を持たず、塗装で保護する必要があるため、年月と共に防水性能も低下します。塗装の耐久性はおよそ10年とされていますので、新築・または前回の塗装から10年を目安に塗り替えると良いでしょう。
アスベスト含有のスレート屋根は耐久年数が長く、メンテナンスがいらないと思われがちですが、屋根の寿命を伸ばすのは結局のところメンテナンス(塗装)次第になります。寿命で屋根を交換せざるを得ない場合、アスベストの処分に莫大な費用が掛かります。
ノンアスベストのスレート屋根も元々の耐久性が低く、メンテナンスを怠ると寿命が早まってしまいます。適切な時期に塗装をおこなうことにより、可能な限り寿命を延ばして行くことが大切です。
瓦屋根
和瓦、洋瓦などあり、主に粘土を焼いて成型した瓦を指します。セメントを主成分にした「セメント瓦」もありますが、アスベスト含有が問題になり、現在はほとんど製造されていません。
瓦屋根の特徴
瓦自体に断熱性能はありませんが、瓦と屋根材の間にできた空気層を瓦の厚みによって閉じ込めることで、断熱性や遮音性にも優れていると言われています。
他の屋根材に比べて重量があるため建物に負担が掛かり、耐震面には不安があります。
瓦屋根のメンテナンス
瓦屋根は耐久年数がおよそ50年とされ、耐久性が高く、塗装によるメンテナンスは不要です。
※セメント瓦の屋根は防水性能を保つため、スレート屋根と同じく10年ごとの塗装が必要になります。
瓦は衝撃に弱いため、破損した場合は雨漏りを防ぐ防水シートが破れてしまう可能性があります。予期せぬ災害や飛来物で瓦が破損もしくはズレた場合は早めの修復をしましょう。瓦屋根は1枚単位で交換できるのがメリットです。
定期的にメンテナンスすべき箇所は、瓦屋根の頂点にある棟の土台として使われてる漆喰です。新築から10年もすると経年劣化でひび割れや剥がれが目立つようになります。雨漏りを引き起こす要因にもなりますので10年に1度の点検・補修工事が大事です。
トタン屋根
トタン屋根は、亜鉛めっき鋼板を使用した金属屋根です。ガルバリウム鋼板の登場であまり外壁や屋根材として使われなくなりました。
トタン屋根の特徴
トタン屋根は軽量で建物への負担が少なく、耐震性に優れている一方で、気候に対する耐久性が低くサビが発生しやすいため、塗装によるこまめなメンテナンスが欠かせません。
0.4㎜ほどの薄い金属板のため熱を通しやすく、断熱性・遮音性が低いのがデメリットです。
トタン屋根のメンテナンス
鉄より酸化が早い亜鉛めっきを施すことで、犠牲防食の作用が働き、理論的には亜鉛が腐食するまで下地の鉄が錆びることがありません。
海や工場が近いなどの立地条件や、雨が多いなどの気候条件により劣化進行がかなり左右されます。
5~10年程度で犠牲防食の効果がなくなるため、定期的な塗装が必要になります。赤サビを見つけた場合は、一気に進行する恐れがあるので早めのメンテナンスをおすすめします。
施工の際は、サビを取り除くケレン作業を念入りに行ってから塗装します。
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板は2017年以降、新築戸建て住宅に使われる屋根材としてトップシェアを誇っています。
トタン屋根よりも錆びにくいガルバリウム鋼板は、鉄板にアルミニウム55%、亜鉛43%、シリコン1.6%を溶融した合金メッキで形成されています。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴
同じ金属屋根であるトタン屋根と同じく、軽量で耐震性に優れており、建物に負担が少ない一方で、立地や気候に左右され、サビに弱く、ガルバリウム鋼板単体では断熱性能や遮音性能に劣ります。
現在は鋼板に断熱材を貼り付けた「断熱材一体型」が主流になっており、今や断熱性能においては他の屋根材よりも優れているとさえ言われています。
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス
犠牲防食のある亜鉛メッキに、素地を守る不導体被膜を形成するアルミニウムを混ぜることで、トタン屋根よりも錆びにくく、耐久性が高い金属屋根になります。
耐久性が高いと言われているガルバリウム鋼板屋根ですが、1番の大敵はやはり錆びです。塗装が剥げたことによる錆びの浸食や、金属を含む飛来物の付着による「もらい錆」に気を付けましょう。
特に屋根は見えないので、塗装によるメンテナンスを怠ると気づかないうちに劣化が進行します。ガルバリウム鋼板屋根は10〜15年を目安とした塗り替えが大事です。
とにかく酸に弱いので、海や工場の近く、または酸性雨の降りやすい地域の場合は1~3ヵ月に一回程度、鳥や小動物の糞尿などが付着した場合はなるべく早めに水で洗浄すると良いとされていますが、屋根の場合は難しいですよね。
まだメンテナンス時期ではないけれど、屋根の錆びが気になる場合は、ドローン調査を実施している塗装専門店に確認してもらうと良いでしょう。
アスファルトシングル
北米で開発されたアスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ防水紙とし、表面に石粒を吹き付けて接着した屋根材です。
アスファルトシングルの特徴
アスファルトシングルは柔らかいためひび割れず、金属を含んでいないのでサビないと言うメリットがあります。
スレート屋根の半分程度の重量になり、非常に軽量で耐震性も高いため地震の多い日本に適した屋根材です。
主成分でもあるガラス繊維とアスファルトは防水性にも優れており、耐候性・耐久性も抜群です。
アスファルトシングルのデメリットは、軽すぎるため強風で剥がれたり、石粒が剥がれ落ちることです。
アスファルトシングルのメンテナンス
アスファルトシングルの塗り替え時期は10~15年が適切とされています。カビや苔が発生しやすいので目立ってきたり、石粒の剝がれ落ちが頻繁におきる場合は、早めのメンテナンスを心掛けましょう。
陸屋根
陸屋根=屋上です。呼び方は手すりがある/ないで判断されることが多いですが、いわゆる勾配のない平らな屋根です。排水のためのわずかな傾斜があります。
陸屋根の特徴
陸屋根は屋上スペースの有効活用ができ、メンテナンス時に足場が不要なのが最大のメリットです。
一方で勾配のある他の屋根と比べて水はけが悪く雨漏りがしやすいことや、屋根に厚みがないので断熱性能で劣るデメリットもあります。
陸屋根には防水工事が必要
陸屋根の雨漏りを防ぐためには、防水性の高い素材で床を覆う「防水層」を防水工事によって形成します。水の侵入を防ぐ防水層ですが、紫外線に弱いため「トップコート」と呼ばれる塗料を塗布する事で、紫外線での劣化を防ぎ、防水性能を維持しています。
陸屋根のメンテナンス
トップコートの劣化を放置すると保護機能が低下し、あっという間に防水層の劣化が進行するので5年程度でトップコートの塗り替えを検討しましょう。
水の侵入を防ぐ防水層の耐用年数は約10~20年です。時期が来たらウレタンやFRPによる防水工事が必要になります。
まとめ
屋根の種類別、塗り替え時期や耐用年数を解説しました。使用しているメーカーや製品の違い、環境要因などで劣化状況は異なってきますので、あくまで目安として参考にしてみてください。
えいぶす・ペイントでは屋根の調査・診断はドローンで行っております!屋根の種類・素材、劣化状況から診断を行い、お客さまの建物とって適切なメンテナンス時期と塗料のご提案をさせて頂いております。
屋根や外壁の事で気になる事がございましたらお気軽にご相談ください。
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