丁寧な下地処理は塗装工事成功への第一歩!その重要性とは?
外壁や屋根の塗装工事を考えたとき、多くの人が色選びや塗料の種類に注目しがちですが、美しく長持ちする塗装のためには、色や塗料の選定以上に重要な工程があります。それが「下地処理」です。
下地処理は外壁・屋根塗装において、見過ごされがちながらも最も重要な工程の一つです。下地処理を丁寧に行うことで、塗装の美観と機能性を長期間維持し、家全体の価値を高めることができます。
この記事では、塗装工事における下地処理とは何か、種類や重要性、工事の前に知っておきたい手抜き工事のリスクを解説します。
塗装工事における下地処理とは?
塗装工事における下地処理は、塗装を施す前の非常に重要な工程です。
下地処理は、塗料の密着を向上させ、仕上がりの美観と耐久性を高めることを目的としています。適切な下地処理を行うことで、塗装が長持ちし、将来的なメンテナンスコストを削減できます。
下地処理の種類
下地処理の種類は、使用されている外壁・屋根の材質や劣化症状により様々です。ここでは、代表的な下地処理の種類をご紹介します。
高圧洗浄
必ず塗装工事の工程に組み込まれていると言っても過言ではない、高圧洗浄も立派な下地処理の一種です。
高圧洗浄機などを用いて外壁や屋根、その他の塗装対象の表面に付着した汚れ、ほこり、カビ、苔、油分、古い塗膜などを徹底的に除去します。
高圧洗浄は適切に実施することで、塗料の密着性を大幅に向上させ、塗装の仕上がりと耐久性を向上させることができます。
高圧洗浄の重要性
密着性の向上
表面の汚れや油分は塗料の密着を阻害するため、可能な限り除去することが重要です。高圧洗浄はこれらの不純物を効果的に取り除きます。
塗膜の長期保持
汚れをきれいに洗い流し清潔な表面に塗料を施すことで、塗膜の保護効果が最大限に発揮され、塗装が長持ちします。塗装の劣化を遅らせることができます。
美しい仕上がり
きれいに洗浄された表面に塗装を施す事で、均一で美しい仕上がりが期待できます。
ケレン
主に金属や木部などの素材に対して施すケレンは、スクレーパーやサンドペーパーなどを用いて古い塗膜や錆びを落とす作業です。
ケレン作業を適切に行うことで、塗装の密着性が向上し、塗膜による保護効果が長時間継続すると同時に塗装の仕上がりもより美しくなります。
ケレンは時間と労力を要する作業ですが、ケレンが不十分だと塗装後に塗膜剥離がおきる可能性が高まりますので、塗装工事全体の成功において非常に重要な役割を果たします。
ケレンの重要性
古い塗膜の除去
古い塗膜は新しい塗料の密着を妨げる原因となります。ケレンによってこれを効果的に取り除くことで、塗料が直接下地に密着することが可能になります。
表面の平滑化
表面の小さな突起や凹凸を取り除き、滑らかにすることで、塗装後の仕上がりが均一になります。
目荒し
平滑な表面を研磨することで傷をつけ、凹凸をつけることで塗料の引っ掛かりを良くします。
錆の除去
金属表面に対して行うケレン作業では、錆を取り除くことが一つの大きな目的です。錆を除去することで、塗装が長持ちし、金属の腐食を防ぐことができます。
汚れの清掃
塗装面の油分や汚れもケレンによって除去されます。清潔な表面は塗料の密着を良くし、塗膜の品質を保持します。
ひび割れ補修
ひび割れは、外壁や屋根などの表面に時間とともに生じるもので、適切に修復しないと新しい塗装の寿命や品質が著しく低下します。
ひび割れ補修は、塗料の密着を向上させると共に、建物を水漏れや外部からの汚染から守る役割を果たします。
ひび割れ補修の重要性
防水性の確保
ひび割れを放置すると水が侵入し、建物の内部構造に損害を与える可能性があります。補修により、水漏れを防ぎます。
塗料の密着性向上
ひび割れがあると、その部分に塗料が均一に密着しないため、塗膜の劣化を早める原因となります。補修を行うことで、塗料の均一な密着を確保します。
外観の向上
ひび割れは見栄えを損ねるため、これを補修することで建物の外観を改善します。
シーリング(コーキング)補修
シーリング(コーキング)とは、主にサイディング外壁やALC外壁に採用されており、建物の継ぎ目や隙間を封じるために使用される材料で、主に防水や気密性を向上させる目的で施されます。
時間の経過と共にこのシーリング材が劣化・破損したりすることがあるため、塗装の前には適切に補修することが不可欠です。
シーリング補修の重要性
防水保護
シーリング材は水漏れを防ぐために重要です。劣化や損傷したシーリング材を放置すると、水が建物内部に侵入し、内部構造の腐食やカビの発生を引き起こす可能性があります。
気密性の確保
シーリング補修は、建物の気密性を保ち、エネルギー効率を向上させます。これにより、冷暖房の効率が向上し、エネルギーコストの削減にも寄与します。
寿命の延長
適切に補修されたシーリングは、塗装と同様に建物の外壁を保護し、長期的に建物の寿命を延ばす効果があります。
塗装工事における下地処理の役割
下地処理は塗装を施す前の外壁・屋根材の表面を整える作業です。下地処理を丁寧に行う事によって、塗料の密着性が向上し、塗装のムラを防ぎます。
また、外壁や屋根に存在する細かなひび割れや隙間を修復し、水の浸入を防ぎます。このように、下地処理は塗装が持つ保護機能を最大限に発揮させるための基盤を作ります。
下地処理を丁寧に行うことの長期的なメリット
丁寧な下地処理は見た目の仕上がりを美しくするだけでなく、屋根・外壁の長期的な維持にも様々なメリットがあります。
まず、塗装の耐久性が向上します。密着性が高まることで塗膜が剥がれにくくなることで、塗り替えの頻度を減らすことができ、長期的に見ると経済的な節約にもつながります。
また、外壁や屋根を水漏れやカビ、腐食から守る防水効果も期待でき、家全体の構造的な安全性と快適性を保持することができます。
さらに、紫外線や外部からの物理的なダメージに対する抵抗力も向上します。
下地処理の手抜き工事とリスク
下地処理は、外壁塗装や屋根塗装において重要な役割を担いますが、その影響が顕著になってくるのは、塗装工事から数年後です。
経験の浅い業者や、適当な業者に施工を依頼すると”見えないから”と下地処理を手抜きされることも少なくはありません。トラブルが発生する前に、下地処理でおこりやすい手抜き工事を覚えておきましょう。
「何かおかしい」と思ったら、手遅れになる前に早めに確認する事をおすすめします。
適切な洗浄が行われていない
塗装の前に外壁や屋根をきれいに洗浄することは必須です。
十分な洗浄が行われていないと、塗料の密着不良や剥がれの原因になります。高圧洗浄機を使って、すべての汚れ、ほこり、古い塗膜を徹底的に除去することが重要です。
適切な補修材の使用を怠る
ひび割れや穴などの補修には、対象の素材に合った補修材を使用することが必要です。
間違った材料を使うと、時間が経つにつれて補修部分が剥がれたり、さらなる損傷を引き起こすことがあります。
十分な乾燥時間を確保しない
洗浄後や補修作業後は、十分な乾燥時間を確保する必要があります。
急いで次の工程に進むことは、未乾燥の部分が原因で塗装がうまく行かないことが多いです。
環境条件の無視
外壁や屋根の下地処理は、適切な気候条件下で行う必要があります。雨の日や湿度が高すぎる日に作業を行うと、塗料の乾燥や密着に悪影響を及ぼします。
まとめ
下地処理を適切に行うことで、塗装の耐久性と見た目が大きく改善されます。不十分な下地処理は、塗料の密着不良、はがれやすさ、色ムラなどの問題を引き起こす可能性があります。
塗装工事において下地処理を適切に行うことが重要ですが、同じくらい業者選びも大切になってきます。
現地調査時に外壁診断を適切に行っているか、劣化症状と措置について詳細な説明があるか、契約の前には塗装工事における保証の有無なども必ず確認しましょう。
えいぶす・ペイントでは外壁診断士の資格を持つスタッフが現地調査を行い、劣化症状や適切な措置を記載した診断書をお渡ししております。お気軽にご相談くださいませ。
完工時には保証書も発行しております。
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